膝蓋骨脱臼

このようなお悩みはありませんか?

  • 膝が腫れていて痛い
  • 膝が抜けるような感覚がある
  • 膝の不安定感がある
  • 繰り返し膝のお皿が外れるような感覚がある

膝蓋骨脱臼とは

 膝蓋骨脱臼は、膝のお皿の骨(膝蓋骨)が正常な位置から外れる状態を指します。外傷やスポーツ活動でみられ、ジャンプの着地などで膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに起こりやすいです。膝蓋骨は大腿骨に対して外側に脱臼することがほとんどで、すぐに自然整復されることが多いです。最初の脱臼以後、しばしば繰り返し脱臼をきたすことがあります(反復性脱臼)。
 また、脱臼症例の多くは大腿骨顆部形成不全、膝蓋骨高位、下腿の外旋など下肢アライメントの異常、膝蓋骨の低形成、膝蓋骨内外側支持機構のアンバランスなどの膝蓋骨が脱臼しやすい素因を持っていることが多いです。

主な膝蓋骨脱臼の分類
  • 外傷性脱臼:外傷に伴う脱臼
  • 反復性脱臼:通常は整復されているが、脱臼が複数回繰り返される状態
  • 習慣性脱臼:屈曲するたび、もしくは伸展するたびに脱臼する状態
  • 恒久性脱臼:常に脱臼している状態
  • 先天性脱臼:生まれつき脱臼している状態

膝蓋骨脱臼の原因

脱臼時の状況としては、スポーツ中の接触プレーのような強い外傷の場合もありますが、軽い運動や方向転換など軽微な動きで脱臼することも多いです。 
この場合、生まれつき膝蓋骨が脱臼しやすい素因を持っていることが多いです。

主な脱臼素因
  • 全身関節弛緩性
  • Q角増大
  • 外反膝
  • 脛骨粗面外方偏位
  • 大腿骨前捻増加
  • 大腿骨滑車形成不全
  • 膝蓋骨高位

症状・所見

主な症状
  • 腫脹
  • 圧痛
  • 膝の不安定感
  • apprehensionサイン陽性
apprehensionサイン
出典:適切な判断を導くための整形外科徒手検査法

当院での施術

エコー検査

ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。

応急処置と病院紹介

固定・松葉杖による免荷歩行など適切な応急処置を行います。脱臼・骨折の疑いがあり精密検査が必要と判断した場合は、近隣病院へご紹介しております。

徒手療法・ストレッチ

治癒過程で硬くなってしまった組織の柔軟性を取り戻すために徒手的に介入し、可動域の改善を図ります。

物理療法

早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。
早期から積極的に行い、組織の修復を促します。

運動療法

膝蓋骨の不安定性を残さないように筋力強化を行います。それとともに再発予防としてバランスや動作不良を改善し、全身的な機能向上を目指します。

参考資料

  • 整形外科医のための膝のスポーツ診療のすべて/大内洋/日本医事新報社
  • スポーツ整形外科学/文光堂
  • スポーツ損傷シリーズ12 .膝蓋骨脱臼
  • 適切な判断を導くための整形外科徒手検査法/松村将司・三木貴弘/MEDICAL VIEW