足関節インピンジメント症候群
このようなお悩みはありませんか?
- 階段を降りる時に足首が詰まる
- 足首が詰まるように痛くてしゃがめない
- ボールを蹴ったときに足首の後ろ側が痛くなる
- つま先立ちをすると足首の後ろが痛い
- 歩いたり走ったりすると足首が不意に痛くなる
足関節インピンジメント症候群とは
足関節インピンジメントとはfootballer's ankleとも呼ばれ、関節を動かした際に周囲の骨や軟部組織が衝突(=インピンジメント)を繰り返すことにより痛みが生じ、関節をうまく動かせなくなる状態のことをいいます。
この疾患は、足関節の底背屈の繰り返しが多い競技のアスリートに発症することが広く知られ、サッカーのみならずバレエ、水泳など発症するスポーツは多岐にわたります。
発生部位は足関節の前方と後方があり、それぞれについて分けて説明します。
足関節前方インピンジメント症候群(AAIS)
≪骨性インピンジメント≫
脛骨下端前縁と距骨が衝突することによって起こる微細な損傷に対する過剰な修復反応の結果、形成される骨棘であると言われてます。
また、ボールを蹴る際の直接的な外力により起こる微細な損傷も骨棘形成の誘因となり、このことからサッカー選手に多くみられると考えられています。
≪軟部組織インピンジメント≫
前外側と前内側に分けられ、足関節の外側の靭帯(前距腓靭帯など)と内側の靭帯(三角靭帯)や滑膜組織などが肥厚し挟み込まれることで発生します。
足関節捻挫など、外傷の不完全な治癒のまま競技に復帰してしまうことで軟部組織が肥厚し、慢性的な障害に発展してしまう可能性があるので注意が必要です。
足関節後方インピンジメント症候群(PAIS)
≪骨性インピンジメント≫
PAISでインピンジする代表的なのものが、距骨の後ろにある「三角骨」と呼ばれる過剰にできた骨によるものです。この他にもStieda結節やShepherd骨折(外側結節骨折)も骨性の要因となります。
≪軟性インピンジメント≫
炎症により肥厚した長母趾屈筋腱、関節包、後距腓靭帯(PTFL)・後下脛腓靭帯(PITFL)などの足関節後方の靱帯が足関節底屈を強制された際に刺激されることで痛みを生じます。
足関節インピンジメント症候群の原因
主な原因組織は前述したとおりですが、そのほかの原因を下記にまとめました。
主な原因
- 足関節捻挫による骨同士の衝突
- 足関節不安定症
- 下腿三頭筋のタイトネス
- スポーツ動作での繰り返しによる底背屈 など
主な症状・所見
- 足関節の底背屈での痛み
- 足関節底背屈の可動域制限
- レントゲンやMRIなどの画像診断による骨片や骨棘の存在
- Molloy -Bendall test 陽性(軟部組織性足関節外側インピンジメント症候群)
など
当院での施術
徒手療法・ストレッチ
筋肉や脂肪組織をほぐすことにより、軟部組織の滑走を促し、痛みを緩和します。また、下腿や足趾のストレッチをすることで関節運動をスムーズにします。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。組織の修復や疼痛の軽減を促します。
運動療法
足関節周囲の筋力強化やバランストレーニングを行い足関節の安定性を獲得します。
インソール
足部のアライメントを矯正するインソールを作成します。
参考資料