コーレス骨折
(橈骨遠位端背側転位骨折)
このようなお悩みはありませんか?
- 手首が腫れている
- 手首を動かすと痛い
- 手をついて転んでから手首が痛い
- 手首がずれたように変形している
- 手のひらがしびれるような感じがする
コーレス骨折(橈骨遠位端背側転位骨折)とは
橈骨遠位端骨折は、前腕にある橈骨と呼ばれる骨の手首に近い部分が骨折してしまうことを言います。特に高齢者は転倒し手をついたことによる低エネルギー損傷で怪我をすることがほとんどで、「FOOSH(fall on out-stretched hand) injury」と呼ばれる怪我の一種です。高齢者だけでなく、骨の成長が未成熟な子供にも多くみられます。
橈骨遠位端骨折の中でも、遠位骨片が背側に転位したものを「コーレス骨折」と呼びます。
合併症
- 尺骨茎状突起骨折
- 手根骨骨折(舟状骨骨折)
- 変形治癒
- 手根管症候群 など
コーレス骨折の原因
コーレス骨折は主に手をついて転倒した際に発生します。
手首付近で骨折してしまう要因は、橈骨遠位端の海綿骨が比較的弱いことや、転倒時の衝撃が長軸上にある橈骨遠位端に集中しやすいこと、手関節の解剖学的構造上背屈位での負荷に弱いことなどが挙げられます。
このようにコーレス骨折は、受傷機転と骨の脆弱性が組み合わさって発生する骨折であり、予防には転倒予防と骨粗鬆症対策が重要となります。
リスク要因
- 骨粗鬆症により骨密度が低下している
- スケートボードなど転倒の多いスポーツ
- 凍結路面や障害物のある転倒する危険性が高い場所 ...など
主な症状・所見
- フォーク状変形
- 手首周辺の強い疼痛と腫脹
- 手首の運動制限
- 正中神経の圧迫による痺れなどの症状の合併
- 骨折による血流障害などの合併
- 痛みのない方の手で支えるような姿勢をとる
...など
当院での施術
エコー検査
ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。
応急処置と病院紹介
ギプス固定・シーネ固定など適切な応急処置を行います。骨傷の疑いがあり精密検査が必要と判断した場合は、近隣病院へご紹介しております。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。
早期から積極的に行い、炎症症状の抑制や疼痛の軽減を促します。
運動療法
固定除去後より、手関節の可動域改善や前腕周囲の筋肉の運動学習や強化を行います。
参考資料
- 橈骨遠位端骨折診療GL2017_表紙1 - c00393.pdf
- 柔道整復学・理論編/南江堂
- 病気がみえるvol.11運動器・整形外科