肘関節脱臼
このようなお悩みはありませんか?
- 肘に激しい痛みがあり、腫れている
- 肘が明らかに変形している
- 肘の曲げ伸ばしができない
- 手や指のしびれや感覚の変化がある
肘関節脱臼とは
肘関節伸展位で手をついた際に受傷することが多く、橈骨・尺骨が一体となって上腕骨に対して脱臼するものです。脱臼の中では肩関節脱臼に次いで多くみられます。外傷性の肘関節脱臼は、スポーツ活動中に生じることが多く、30歳未満では3/4がスポーツ中の事故で生じています。
脱臼のタイプは、後方脱臼・側方脱臼・前方脱臼・分散脱臼に分けられるが、後方脱臼が90%以上を占め、他は比較的まれです。
肘関節には内・外側の支持機構があり、関節安定性に重要な役割を果たしています。脱臼の際には、これらの支持機構の少なくとも一部が破綻してしまいます。さらに、骨折や神経損傷の合併を伴うケースもあるので注意が必要です。
肘関節脱臼の原因
受傷機転については、一定の見解はみられていません。しかし、近年の映像検証によると92%の症例が肘伸展位による受傷であり、最も一般的な受傷機転は伸展した肘関節への外反力と軸圧力であることが示されています。
肘関節伸展位で手をついて転倒した際、前腕は地面で固定され、軸圧で肘関節過伸展とcarrying angleにより外反ストレスが加わり、まず内側側副靱帯と前方関節包が断裂し、肘頭がテコになって上腕骨遠位端が前方に押し出されて橈尺骨が後方に脱臼します。
主な症状・所見
- 腫脹と疼痛
- 肘関節が軽度屈曲位(30〜40°)で弾発固定されている
- 肘頭が後方に突出し、上腕三頭筋腱が緊張して索状に見える
- ヒューター三角の乱れ(肘頭高位)
合併症
肘関節後方脱臼の主な合併症です。
- 骨折(内側上顆、外顆、尺骨鉤状突起、橈骨頭)
- 頭骨動脈の損傷または圧迫
- 橈骨神経、正中神経、尺骨神経んけいの損傷または圧迫
- 外傷性骨化性筋炎
- 内・外側側副靭帯損傷
当院での施術
エコー検査
ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。
応急処置と病院紹介
整復・固定など適切な応急処置を行います。脱臼・骨折の疑いがあり精密検査が必要と判断した場合は、近隣病院へご紹介しております。
徒手療法
上肢のストレッチや筋肉をほぐすなど、徒手的に介入することで痛みの緩和を図ります。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。炎症を抑え、組織修復を促します。
運動療法
可動域制限や不安定性を残さないように、機能改善のための運動療法を行います。
参考資料
- スポーツ整形外科学/文光堂
- SNOWAID /【動画で見る】肘関節脱臼(後方脱臼)の整復法