腓骨筋腱脱臼

このようなお悩みはありませんか?

  • 外くるぶしの後ろが痛い
  • 外くるぶしの後ろに引っかかりを感じる
  • 足首がグラつくような不安定感を感じる
  • 足首を外側に回すと痛い
  • つま先立ちをすると痛い

腓骨筋腱脱臼とは

腓骨筋腱脱臼は先天性脱臼と後天性(外傷性)脱臼があり、ねんざとの鑑別が重要となるのは外傷に伴う後天性脱臼になります。外傷性腓骨筋腱脱臼の頻度は決して高くはありませんが、外傷性腱脱臼のなかでは最も多いです。スポーツ外傷によって発症することが多いため、日常診療において足関節内反ねんざに伴う外側靭帯損傷と見誤られることがしばしば認められます。

腓骨筋には長腓骨筋と短腓骨筋の2つがあります。短腓骨筋腱が腓骨側で凹状のくぼみにはまり込んでいるのに対し、長腓骨筋腱はその背側(表層)を通るため、長腓骨筋腱が脱臼する場合が多いです。

腓骨筋腱の典型的な受傷パターンは足関節背屈位かつ外がえしの肢位で、強く腓骨筋が収縮した際に発生しやすいとされています。これは足関節内反捻挫が底屈かつ内がえしの肢位で受傷するのと異なるため、受傷肢位の聴取は鑑別の際にとても重要となります。

受傷から2週間以内の新鮮例に関しては、整復後に周囲の組織を緊張した状態で保持するため、なるべく受傷してから早い段階で固定の処置を行います。脱臼してから時間がたってしまうと、周囲の組織の緊張が失われてしまったまま治ってしまうので、保存療法の場合では松葉杖による免荷歩行と約6週間にわたるギプス固定が必要であると考えています。

腓骨筋腱脱臼の原因

腓骨筋腱脱臼の殆どは、長腓骨筋腱が脱臼します。これは足関節外果の後方では長腓骨筋腱が短腓骨筋腱に比べ外側に位置しているからです。

また、足関節を90°直角にしている場合では腓骨筋腱は後方に125°の角度でカーブしていますが、足関節を背屈(足の甲側に曲げる)すると90°の角度で深く曲げられてしまい、前方外側へ押し出されるような力が加わります。

長腓骨筋は腱組織の部分が長い上、急激な方向転換などを強いられる機会が多いため脱臼を惹起すると考えられます。

主な症状

  • 足関節外果周囲の疼痛
  • 反復される腱脱臼
  • 不安定感や脱力感
  • 足関節外果後方の圧痛

当院での施術

エコー検査

ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。

物理療法

早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。組織の修復や疼痛の軽減を促します。

運動療法

足部内在筋や足趾、足関節周囲の筋力強化や足部のアライメントを修正する運動療法を行います。

応急処置と病院紹

ギプス固定・シーネ固定など適切な応急処置を行います。精密検査が必要と判断した場合は、近隣病院へご紹介しております。

参考資料