ヒルサックス損傷
このようなお悩みはありませんか?
- 以前脱臼したことがあり、最近肩が痛くなってきた。
- 肩が抜けそうになることがある。
- 肩が緩いと感じる。
- 肩を何度か脱臼したことがある。
ヒルサックス損傷とは
ヒルサックス損傷(Hill-Sachs Lesion)とは肩関節前方脱臼に付随する合併症の一つで、脱臼した際に上腕骨頭の後方と肩甲骨関節窩が衝突してしまうことで、骨頭が陥没したり亀裂が生じて骨折を起こしている状態をいいます。
脱臼を元の位置に整復されたのちでも、上記のような骨の損傷があれば、関節の受け皿となる関節窩に骨頭が引っ掛かりやすくなることで、関節の安定性が低下し、脱臼が再び起こる可能性が高くなります。
再脱臼を繰り返すと損傷の程度がさらに酷くなるため、少しでも再発を防ぐことが重要です。
そのためには再脱臼の姿位をとらせないための日常生活動作の指導と安定性を高めるための筋力強化がとても重要となります。
当院では、このような傷病に対して痛みをとるだけではなく、筋機能を改善するためのトレーニングも並行して行い、根本的な改善を図っていきます
※「新版 肩診療マニュアル」より
ヒルサックス損傷の原因
ヒルサックス損傷は、肩が前方に脱臼する際に発生するため、脱臼を繰り返してしまうことが損傷をひどくしてしまう原因になります。
ラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツにおいては、相手との接触や転倒のリスクがあり、繰り返し脱臼を起こす可能性が高くなります。また、反復性脱臼になってしまうと外傷だけに限らず、日常生活での些細な姿勢ですらも再脱臼してしまう事があります。特に肩関節外転・外旋・水平伸展の動きは特に脱臼を誘発しやすいので注意が必要です。
下記に脱臼しやすい姿位をのせておきます。
脱臼しやすい肢位や動作
- 後ろに手をついて起き上がる
- 投球動作や柔道の背負い投げなど
- 手を挙げて寝たり、頭の後ろで組んで寝る
...etc
ヒルサックス損傷の症状・所見
- 肩周辺の痛み
- 肩関節の不安定感
- 肩関節の引っ掛かり感
- 繰り返す脱臼症状
- 上腕骨頭後方の陥凹(エコー所見)
当院での施術
徒手療法・ストレッチ
筋肉をほぐすことにより、筋緊張・痛みの緩和などを促します。また、肩関節周囲のストレッチをすることで患部にかかる負担を減らすことができます。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。組織の修復や疼痛の軽減を促します。
運動療法
上腕骨頭を求心位に保持し、肩関節の安定させるため、腱板機能の維持・向上を目的とした運動療法を行います。
参考資料
- 新版 肩診療マニュアル/乾浩明・信原克哉