股関節インピンジメント症候群
このようなお悩みはありませんか?
- 股関節の前側に痛みを感じる。
- 股関節を深く曲げると痛い。
- 長時間座ったり、立ち続けたりすると痛い。
- 股関節を動かす際に引っかかる感覚がある。
- あぐらやしゃがみ込む姿勢で痛い。
股関節インピンジメント症候群とは
股関節インピンジメント症候群は、股関節で骨同士の衝突や挟み込みが起こることで機能障害を引き起こす状態のことをいいます。股関節は大腿骨頭と臼蓋からなる関節で、比較的自由に動きます。その安定性を保っているのは股関節周囲にある筋肉や靭帯ですが、臼蓋の周囲にある関節唇も安定性を保つ上で重要な働きをしています。過度に股関節の屈曲を繰り返すと大腿骨頸部と臼蓋が衝突(インピンジメント)し、関節唇が損傷したり、骨や軟骨にも変化が及んできます。
大腿骨寛骨臼インピンジメントは股関節動作時に繰り返しインピンジメントを生じて股関節唇断裂や寛骨臼の軟骨損傷を引き起こす病態でFAIと称されます。FAIは股関節の形態と引き起こす病態より、下記の3つのタイプに分類されます。
FAIの分類
●cam type
大腿骨側に原因があり、インピンジメントを生じるタイプ。
多くは20〜30代の男性にみられます。
●pincer type
寛骨臼側に原因があり、インピンジメントを生じるタイプ。
多くは30〜40代の女性にみられます。
●combined(mixed) type
cam typeとpincer typeの合併
股関節インピンジメント症候群の原因
寛骨臼や大腿骨の形態異常が主な原因となります。その他、スポーツ活動や繰り返しの動作によって関節に過度な負荷をかけること、筋肉の不均衡によって関節の動きが制限されることもリスク要因と考えられています。
インピンジメントが起こりやすい動作
- しゃがみ込み動作
- 割り座
- 足を組んで座る
- 階段昇降
- 自動車への乗降動作
- 低めの椅子への立ち座り動作
主な症状
- 股関節前部(鼠蹊部)の痛み
- 股関節の可動域制限
- 股関節前方のつまり感
- 大腿外側の動作時痛 など
テスト法
- Anterior impingement test
当院での施術
徒手療法・ストレッチ
筋肉をほぐすことにより、患部をかばう筋肉の緊張・痛みの緩和などを促します。また、股関節周囲のストレッチをすることで患部にかかる負担を減らすことができます。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。組織の修復や疼痛の軽減を促します。
運動療法
股関節周囲の筋出力やアライメントを評価した上でそれを強化・修正する運動療法を行います。
参考資料
- 股関節理学療法マネジメント/永井聡、対馬栄輝/MEDICAL VIEW
- スポーツ損傷シリーズ17.股関節インピンジメント
- Orthopaedics スポーツ股関節痛ー診断と治療ー
- 股関節機能障害理学療法ガイドライン