膝蓋下脂肪体炎
このようなお悩みはありませんか?
- 長い間、膝のお皿の周りが痛い
- 不意にズキっと鋭い痛みが走る
- 膝を完全に伸ばしたり深く曲げると痛い
- 膝を打ったあとから膝が動かしにくい
- お皿の周りが腫れている
膝蓋下脂肪体炎とは
膝関節の膝蓋骨の真下に位置する脂肪体(膝蓋下脂肪体:Infrapatellar fat pad)が炎症を起こしている状態のことを指します。(別名:Hoffa's syndrome)
膝蓋下脂肪体は膝関節の前方に広がる形で存在し、膝を曲げ伸ばしする際に柔軟に形を変え、膝関節の正常な機能を支える重要な組織です。
主な役割は①衝撃吸収②潤滑作用③膝蓋骨の安定化④血管・神経の保護などがあります。
しかし、膝関節に繰り返しの負荷や急激な負荷が加わることで脂肪体組織が損傷され炎症反応が引き起こされます。この炎症反応が持続すると、脂肪体が線維化(組織が硬くなる)し、慢性的な痛みや機能障害が引き起こされてしまいます。
我々の臨床経験上、膝前面の痛みを訴えられる患者様の病態の中でも多くの割合を占めていると感じます。しかしながら、レントゲンには写らないために意外にも見落とされがちな病態でもあります。
そうした場合、当院では超音波検査機器を用いて脂肪体の硬さや動体評価(動きの評価)を行い原因組織を特定したうえで施術を行っております。
脂肪体の痛みであれば、一度の施術でも効果が実感できると思いますので、膝の痛みでお困りの方は是非一度ご来院ください。
※『園部俊晴の臨床‐膝関節‐』より
※『園部俊晴の臨床‐膝関節‐』より
膝蓋下脂肪体炎の原因
膝蓋下脂肪体は、柔軟な組織であるが膝関節のアライメントや周囲の筋肉の硬さにより、脂肪体に加わる摩擦や圧縮応力が増加することで損傷、炎症を引き起こしてしまいます。
その主な原因を下記にまとめました。
主な原因
- X脚、O脚
- 膝立ちの姿勢や膝をつく動作が多い
- 大腿四頭筋の柔軟性低下
- 膝蓋骨高位
- 変形性膝関節などの膝疾患 ...etc.
主な症状
- 膝関節前方の痛み
- 膝蓋骨下部の腫れや圧痛
- 膝関節伸展や屈曲での痛み
- 膝関節伸展位での圧痛の増悪
- 膝関節のこわばりや違和感 ...etc.
当院での施術
エコー検査
ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。
徒手療法・ストレッチ
硬くなっている大腿部の筋を柔らかくすることにより、膝関節にかかる負担を軽減させます。また脂肪体自体をほぐすことで癒着、線維化を予防することができます。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。組織の修復や疼痛の軽減を促します。
運動療法
膝のトラブルが起きやすい膝関節外旋位を修正するように、筋力強化や歩行改善を目的とした運動療法を行います。
参考資料
- 園部俊晴の臨床‐膝関節‐
- 整形外科医のための膝のスポーツ診療のすべて