半月板損傷
このようなお悩みはありませんか?
- 膝の曲げ伸ばしをすると痛い
- 膝がカクッとなったり、ロックしたりする
- 膝に違和感や不安定感がある
- 膝が腫れている感じがする
半月板損傷とは
半月板損傷は、膝のスポーツ外傷の中でも高頻度に発症するもののひとつであり、さらに手術に至る頻度が高い外傷です。かつては、損傷に対して切除がスタンダードであった時代もありましたが、荷重分散機能や膝関節のsecondary stabilizerとしての機能が明らかにされつつあり、出来るだけ温存を図ることが多くなってきています。
半月板損傷はスポーツ活動中に損傷する場合から、加齢変性に伴い日常生活動作において損傷に至る場合など、さまざまな病態があります。主には方向転換や切り返し動作の多いスポーツ活動中に起こり、膝関節に屈曲と回旋の運動が加わって生じるとされています。したがって、どのスポーツ種目においても半月板損傷が生じる可能性はあります。そのほか、加齢変性やスポーツにおける繰り返し負荷に伴う半月板変性、そして前十字靭帯(ACL)損傷などの靭帯損傷の合併症として半月板損傷の頻度は高いです。
治療においては、保存的に経過を見るか、手術を選択するかの判断が必要となります。半月板の外周1/3は血行に富んでおり、自然修復の可能性もあります。一方で、内側1/3の部分は全く血管がない場所とされ、自然修復する可能性は低いです。そのため、損傷部位や断裂形態など正しく病態を理解する必要があります。
半月板損傷の形態には、主に縦断裂、横(放射状)断裂、水平断裂、フラップ状断裂にわけられ、ほかにバケツ柄断裂やDLM断裂などがあります。外傷に伴った損傷では横断裂、縦断裂が多く、中高年では半月板の変性に伴い、変性断裂や複合断裂が多くなります。また、内側半月板は、水平断裂、中後節の縦断裂、後角横断裂が、外側半月板は、前節縦断裂、中節横断裂、後節縦断裂の頻度が高いといわれています。
半月板損傷の原因
受傷原因としては古くから、膝関節に屈曲と回旋の運動が加わって生じるとされています。半月板は加齢とともに徐々に変性するため、損傷が外傷によるものか、年齢による変性かの判断が重要です。
主な原因
- 膝関節の屈曲と回旋
- スポーツなどによる外傷
- 繰り返しの負荷に伴う半月板の変性
- 加齢による半月板の変性
- ACL損傷などの靭帯損傷による合併症
症状・所見
- 腫脹・関節水腫
- 圧痛
- 引っかかり感(キャッチング)
- ロッキングによる伸展可動域制限 など
テスト法
- McMurrayテスト
- Apleyテスト
- Pivot shiftテスト
当院での施術
エコー検査
ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。
応急処置と病院紹介
固定・松葉杖による免荷歩行など適切な応急処置を行います。精密検査が必要と判断した場合は、近隣病院へご紹介しております。
徒手療法・ストレッチ
痛みをコントロールするために患部のリラクセーションなど徒手的に介入します。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。
運動療法
競技復帰に向けて、可動域改善や筋力強化を行います。それとともに再発予防としてバランスや動作不良を改善し、全身的な機能向上を目指します。
参考資料
- 整形外科医のための 膝のスポーツ診療のすべて|書籍・jmedmook|日本医事新報社 (jmedj.co.jp)
- アスレティックリハビリテーションガイド/文光堂
- スポーツ整形外科学/文光堂