肉離れ
このようなお悩みはありませんか?
- スポーツ動作中に痛くなった。(ダッシュ・切り返し・キック動作など)
- 受傷時に「グニュ」「ピキッ」「バチン」などの感覚があった。
- 怪我した直後から運動を続けることができなかった。
- 筋が伸びきる前に痛みを感じる。
- 触ってみると、筋がくぼんでいる。
- 以前痛めた筋肉を繰り返し痛めてしまい、なかなか競技復帰ができない。
肉離れとは?
スポーツ動作中などに多く発症する筋損傷で、筋打撲傷を除いたものを総称して肉離れと呼びます。
肉離れには、以下のような3つの特徴があります。
①損傷筋は形態的特徴があることが多い(多くは羽状筋)
②遠心性(伸張性)収縮で発症することが多い
③筋腱移行部を損傷することが多い
しかし、筋膜炎やこむら返りと症状が似ているため肉離れを起こしているかどうかの鑑別が重要になります。
肉離れは、筋肉であればどこでも発症する可能性があります。そのなかでも、スプリント中に起こるハムストリングの損傷が一番多いと言われています。この他に、サッカーのシュート動作時の大腿直筋や内転筋、フェンシングのファント動作の内転筋、さらにはテニスやバドミントンの切り返し時の腓腹筋内側頭、長距離走におけるヒラメ筋など下半身に多く、受傷機転は様々です。
重症な肉離れが起こるような受傷機転や大きな外力がが成長期に加わると裂離骨折となることもあります。
当院ではそうした骨折などの見逃しがないように、理学所見だけでなく超音波検査装置を用いて判断し、必要があればより詳しい検査ができる医療機関へ紹介しています。
また、比較的軽度の肉離れでも競技復帰を急いでしまうと、再発を繰り返してしまうので、充分にリハビリをする必要があります。当院では、再発予防に力を入れていますので、けがを繰り返してしまうなどのお悩みをお持ちの方は気軽にご相談ください。
肉離れの原因
肉離れが起こってしまう原因は様々です。スポーツをされる方で、肉離れの原因を理解し予防していくことが大切です。
- 急激な動作
切り返し動作やスプリントなど、筋肉に急激な負荷がかかると肉離れを引き起こしやすくなります。 - 疲労の蓄積
全身に疲労がたまってしまうことで、筋肉本来の機能が低下してしまい肉離れを引き起こしてしまいます。 - 筋肉の柔軟性低下
日ごろから、ストレッチやマッサージなどのケアを怠ってしまうと疲労がたまるだけでなく、筋肉自体が固くなり、筋断裂を起こしやすい状態になってしまいます。 - 筋力不足、筋のアンバランス
大腿の前側と後側の筋肉のように、相反する作用を持つ拮抗筋のバランスが崩れる(どちらかが弱い)と肉離れを引き起こしやすくなります。 - ウォーミングアップ不足
筋肉の温度が上がる前に激しい運動をしてしまうと、筋肉がそれに耐え切れず肉離れを引き起こしやすくなります。
主な症状・所見
運動中に「ビキッ」「ブチッ」というような断裂音を感じ、以下のような症状が出ます。
- 押したときの痛み(圧痛)
- 伸ばした時の痛み(ストレッチ痛)
- 力を入れた時の痛み(抵抗運動痛)
- 患部が凹んでいる。または腫れている。
- 内出血がある。
上記の理学所見のほかに超音波検査装置による画像検査(エコー検査)も行っています。
症例紹介
左の画像は当院に来院された肉離れの患者様のエコー検査画像になります。
エコー検査では水分を多く含んでいるところ(出血や炎症部位など)が黒または灰色に映ります。逆に、血流の悪いところ(阻血部位、筋硬結など)は白く映ります。左の画像を見ていただくと、筋肉の一部分が黒っぽく映っているのがわかると思います。そこが損傷部位で、その下の白く映っている部分は、筋肉が硬くなってしまっているということがわかります。
このように健側と患側を比較することで、より正確にケガの状態を確認することができ、競技への復帰時期を判断することができます。
当院での施術
エコー検査
ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。
包帯固定
患部を圧迫することにより、動作時の疼痛を軽減させます。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。
受傷早期から積極的に行います。
徒手療法・ストレッチ
硬くなっている筋肉をほぐすことにより、患部にかかる負担を軽減させます。
運動療法
けがの回復に合わせて適切な負荷の運動をすることによって、より早く競技に復帰することができます。
参考資料
- ハムストリング肉離れ/仁賀定雄:The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine.2019 年 56 巻 10 号 p. 778-783
- ハムストリング肉離れ/奥脇 透:臨床スポーツ医学 2008;25:93-98
- 肉ばなれのリハビリテーション/松田 直樹:アスレチックリハビリテーション 第2版 p.144-168