シンディング・ラーセン・ヨハンソン（Sinding Larsen-Johansson）病は、膝蓋腱の膝蓋骨起始部が繰り返しの負荷によって骨化異常を生じる骨端症で、膝蓋骨の下端に運動時痛、圧痛、腫脹を認めます。脛骨粗面の骨端核に起こるオスグッド・シュラッター病と同様に、成長軟骨に繰り返し牽引ストレスがかかることにより痛みが発生します。
　成長期の子どもに多く発みられ、特に活発にスポーツ活動を行う１０代前半の男子に好発するのが特徴です。オスグッド・シュラッター病よりも若い年代に発症する傾向があります。
　成長期によくみられる膝伸展機構障害にはオスグッド・シュラッター病、ジャンパー膝（膝蓋腱炎）、膝蓋下脂肪体炎などがあるため、詳しい鑑別が必要になります。
　多くの場合、適切な治療と経過観察により症状は改善します。成長過程で骨化が進み、痛みも消失することが一般的といわれています。成長期の子どもたちに起こる障害であるため、早期発見と適切な管理が重要となります。スポーツ活動を行う１０代前半の子どもたちが膝の前面に痛みを訴える場合は、早めにご相談ください。

脛骨粗面の骨端核に起こるオスグッド・シュラッター病と同様の機序で発症するといわれています。以下の要因が複合的に作用することが主な原因となります。

• 成長期特有の骨の脆弱性
• スポーツ活動などによる過度の負荷
• 大腿四頭筋の柔軟性低下
• 下肢のアライメント不良
• 筋力のアンバランス　　　　　など

• 膝蓋骨下端の圧痛
• 膝蓋骨周囲の腫れ
• 運動時やジャンプ動作時の痛み
• 膝の可動域制限　　　　　　　など