足関節捻挫
内返し捻挫
このようなお悩みはありませんか?
- スポーツで足首を内返しに捻ってしまった
- 階段で足を踏み外してしまい足首が痛い
- 1度足首を捻ってから足を捻りやすくなった
- 固定を外したがまだ足首が痛い
- 正座ができない
足関節捻挫とは
捻挫とは、骨折を伴わない関節包や靭帯の損傷で、関節の生理的範囲を超えて運動が強制されて生じます。重症例でリハビリが不十分だと、慢性足関節不安定症(Chronic ankle instability : CAI)に移行してしまうことも多いため、確実な診断と適切な治療、再発の予防が必要です。
当院では、損傷部位・重症度を判断をするために超音波検査機器を使用しており、その重症度に応じて処置をしています。また、医療機関への紹介も行っていますので、お悩みの方は一度ご相談ください。
足関節外側損傷(内返し捻挫)
足関節外側の損傷は足部の内返しが強制されて生じます。受傷時に損傷する組織として
・前距腓靭帯(anterior talofibular ligament : ATFL)
・踵腓靭帯(Calcaneofibular ligament : CFL)
・二分靭帯
・長短腓骨筋腱 …など
があり、その中でも前距腓靭帯が一番多いと言われています。
特に小児では、骨端線(成長軟骨板)の損傷により、裂離骨折や関節軟骨損傷を併発しやすいため注意が必要です。
また内返しの際に、足関節内側に位置する三角靭帯などの軟部組織損傷や、骨の衝突によって距骨骨軟骨損傷も生じることがあります。それにより外側だけでなく内側にも痛みが出る場合もあります。
足関節捻挫を繰り返してしまう原因
足関節捻挫は段差でつまずく、スポーツ活動中(ジャンプの着地、カッティング動作)など、足の内返しが強制された時に受傷しますが、「片方の足だけ繰り返し捻ってしまう」というような経験はございませんか?
この怪我は再発率が高いケガの一つで、捻挫を繰り返してしまうのには原因があるので紹介します。
- 足関節底屈・背屈の可動域制限
- 足関節周囲筋、足趾の筋力・筋機能低下
- バランス感覚の低下(片脚立ち)
- 慢性足関節不安定症(CAI)などの後遺症
- 下肢のアライメント異常
- 股関節内旋・外旋可動域の差
主な症状・所見
- 腫脹、熱感、疼痛などの炎症症状
- 圧痛
- 皮下出血
- 可動域制限
- 筋力、筋機能低下
- バランス感覚低下
上記の理学所見のほかに超音波検査装置による画像検査(エコー検査)も行っています。
左の画像は前距腓靭帯(ATFL)のエコー画像になります。
31歳男性
受傷機転:靴ひもを結び歩き始めた際に躓き内返しに捻った。
受傷から2日経過し、痛みも引いていましたが違和感があるということでエコー検査を行いました。
腓骨から距骨に向かって真っすぐ伸びている靭帯(黄色枠)がATFLです。ATFLの腓骨側付着部付近に黒く映っている部分(赤枠)が損傷部位になります。健側に比べ患側は肥厚しており、炎症が収まるまでの固定と物理療法による治療が必要だと判断しました。
本人は少し捻った程度で一時的に痛いだけだろうと思っていたようですが、エコーではどこがどの程度損傷しているのかがはっきりとわかります。こういった損傷をそのままにしておくと再発しやすくなったり、競技に復帰しても充分にパフォーマンスを発揮できなかったりします。したがって、当院では物理療法による早期回復と合わせて、再発を予防するために損傷の回復に合わせたトレーニングを行い、再発予防やパフォーマンスの改善も同時に行っていきます。
当院での施術
エコー検査
ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。
応急処置と病院紹介
ギプス固定・シーネ固定など適切な応急処置を行います。骨折の疑いがあり精密検査が必要と判断した場合は、近隣病院へご紹介しております。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。受傷初期の固定中から行えます。
徒手療法
可動域の制限を残さないよう、状態を確認しながら徒手での介入もしていきます。
運動療法
可動域の改善、筋力強化のためトレーニングを行います。スポーツをしている方は競技復帰に向けて再発しにくい状態を作っていきます。
参考資料
- 標準整形外科学 第14版/医学書院
- スポーツ整形外科学 アスリートを支えるクリニカルスタンダード/文光堂
- 病気がみえる Vol.11運動器・整形外科/MEDIC MEDIA