種子骨障害
このようなお悩みはありませんか?
- 足の親指の裏側が痛い
- つま先立ちをすると痛い
- ランニングの蹴りだしたときに痛い
- スパイクのポイントの部分に痛みが出る
種子骨障害とは
足の第1趾には内側種子骨と外側種子骨の二つがあり、短母趾屈筋をはじめとする数々の筋肉・靭帯が付着しています。ランニングやジャンプ動作などを繰り返すことで同じ箇所に過度なストレスがかかり、種子骨が存在する第1趾MP関節近位部に圧痛・荷重痛・運動時痛を認めるものを総称して《種子骨障害》といいます。
主にランナーなどのよく走るスポーツでみられることが多い障害ですが、空手や剣道といった素足でかつ踏み込み動作の多いスポーツなどでも種子骨に強い外力や繰り返されるストレスがかかり、症状が発生します。
スポーツ選手にみられる母趾種子骨障害としては他にも、分裂種子骨,疲労骨折,無腐性骨壊死などが知られており、それらの多くはX線による診断が可能です。しかし、中にははっきりとした鑑別がしにくい症例もみられています。なかでも分裂種子骨と疲労骨折はX線上,分離面の性状,皮質の連続性などにより鑑別が可能とされていますが、種子骨自体が小さいことや、分裂種子骨の一部は疲労骨折の結果であるという可能性が示唆されていることもあり、初診時のX線では明確に判断する事が容易ではありません。少しでも思い当たる部分がございましたら、是非一度ご相談ください。
種子骨障害の原因
母趾の種子骨は短母趾屈筋腱内の内側と外側に存在し、短母趾屈筋による屈曲筋力を効率よく基節骨に伝えることが主な役割なのですが、同時に母趾の接地におちて衝撃を和らげるクッションの役割を担っています。スポーツ活動による前足部への荷重時や、踏み返し動作の繰り返しが発症の要因になります。中でも種子骨障害になりやすいといわれる主な原因を以下にまとめておきます。
主な原因
- 過度なスポーツ活動への参加
- 準備運動や運動後のストレッチ不足
- 素足でのスポーツ活動やスパイクの使用
- 足部アライメント異常
主な症状
- 母趾MP関節底側の疼痛・腫脹・熱感
- 歩行時痛
- 母趾の伸展で痛みが強くなる
- 前足部での踏み込みや踏み返しで痛みがでる
当院での施術
徒手療法・ストレッチ
筋肉をほぐすことにより、筋緊張・痛みの緩和などを促します。また、足趾・足底筋群のストレッチをすることで患部にかかる負担を減らすことができます。
物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。組織の修復や疼痛の軽減を促します。
運動療法
足部内在筋や足趾、足関節周囲の筋力強化や足部のアライメントを評価した上でそれを修正する運動療法を行います。
参考資料
- スポーツ選手にみられた母趾種子骨障害
- MB Orthop.32(1):75-83,2019/ 特集:外来でよく診る足疾患